シャンプーに使われる
界面活性剤は4種類

 まず、シャンプーの基本的な役割を知ってください。

 シャンプーの成分は、落とすための洗浄成分(界面活性剤)と、ケアするための保湿成分の主に二つです。そのほか香料や防腐剤、発泡剤なども含まれますが、働きとしては「頭皮を洗う」ことと「髪をケアする」という逆向きの作用が必要なのです。

 次に、シャンプーの半分近くは「界面活性剤」でできています。何となく体に良くないイメージがあるかもしれませんが、人の皮膚の表面にも天然の界面活性剤が存在しているくらいですから、それ自体は悪いものではありません。界面活性剤は水と油それぞれと結合する性質があるため、洗う役割のほか、保湿、乳化などさまざまな場面で使われます。生活には不可欠といえるでしょう。

 そしてシャンプーに使われる界面活性剤は、次の4種類になります。

▼シャンプーに使われる界面活性剤の種類

◎せっけん系
表示名/せっけん素地、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸エステルなど
 せっけんは体を洗うのにはいいが、アルカリなので髪を洗うと髪にダメージを与え、ヘアカラーも褪色しやすい。水道水に含まれる微量の金属と結合して「スカム」という不溶性物質を作り出し、それが髪に残るとギシギシした感触になる。

◎アミノ酸系
表示名/N-アシルタウリン塩、アシル化グルタミン酸塩、ココイルアラニンTEA、ラウロイルメチルアラニンNaなど
 地肌にも髪にもやさしい。「アトピー用」「敏感肌用」シャンプーとして売られているものはアミノ酸系が多い。ただし泡立ち、洗浄力が弱いのが難点。

◎硫酸系
表示名/ラウレス硫酸Na、AESなど
 洗浄力、泡立ちともによい。アニオン系の代表としてシャンプーに最もよく使われている。30年ほど前はラウリル硫酸塩(AS)が盛んに使われ、肌荒れなどのトラブルが起きたが、それを改良したラウレス硫酸塩(AES)が開発され、肌への刺激は緩和された。

◎ベタイン系
表示名/コカミドプロピルベタイン、ラウロイルプロピルスベタイン、ココアンホ酢酸など
 地肌にも髪にもやさしいが、泡立ちや洗浄力がとても弱い。洗浄成分として単独ではあまり用いられない。目に入ってもしみないため、赤ちゃん用シャンプーによく使われる。

※『美容皮膚科医が教える 大人のヘアケア再入門』(青春出版社)』から

 繰り返しになりますが、髪はシャンプーによって変わります。もちろんコンディショナー(リンス)による影響がないとは言いませんが、やはり洗浄力と地肌環境が大きく関係するのです。