米金利いずれ上昇、トランプ氏再選ならより確実Rachel Mendelson/WSJ, Brandon Bell/Getty Images, iStock (5)

 米連邦準備制度理事会(FRB)は3週間前に短期金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げ、追加利下げを示唆した。だが米10年物国債利回りはそこから上昇して4%に達し、2カ月ぶりの高水準となった。

 政策金利が低下したのに長期金利が上昇するのはなぜか。FRBは目先の金利を設定する。投資家はその金利の今後10年間の軌道に賭ける。二つの理由から、今後10年間の金利は過去10年間を上回る可能性が高く、それもおそらくはるかに高くなるだろう。

 一つ目の理由は比較的無害で、インフレと成長率は新型コロナウイルス流行前ほど低くならないだろう、というものだ。二つ目の理由はそれほど無害ではない。米連邦政府の債務が持続不可能な道をたどっており、大統領選挙後に一段と危険な水準になるかもしれない、というものだ。もしドナルド・トランプ前大統領が勝利し、共和党が議会で過半数を握れば、その公算はより大きくなる。