トランプノミクス2.0は「ドル安・株安」要因、米経済や金融市場の脆弱性を増幅Photo:The Washington Post/gettyimages

トランプ氏再選は「ドル高・株高要因」なのか?
米経済が抱える問題を悪化させる

 バイデン米大統領の大統領選挙戦撤退を受けて、ハリス副大統領は予想外のスピードで民主党内での支持を固め、新たな民主党大統領候補者となった。

 ただしハリス氏の支持率が高まったのは、多くの人が高齢のバイデン大統領に強い不安を抱いてきたことの裏返しではないか。世論調査ではハリス氏の支持率がトランプ氏の支持率を上回ったとしても、現時点では追い風参考値と考えた方がいい。

 今後は、ハリス氏が自身の持つ強みを最大限生かして、大統領候補者としての資質をアピールできるかが重要だ。そのことは「トランプ再選」による世界経済の不安定化回避につながる。

 トランプ前大統領が再選を果たし、保護主義的な政策を柱にしたいわゆる「トランプノミクス2.0」が実施されれば、世界的な株安とドル安を生じさせ世界にマイナスとなると筆者は考えている。

 それがどの程度の規模になるかは、米国経済の行方次第だが、「トランプノミクス2.0」は米国経済・金融が抱える問題を増幅するだろう。

 8月に入っての米国株式市場の急落は米国経済・金融の脆弱性をうかがわせたように思える。