学校生活ではまず、登校初日に教室に入ることから渋り、先生に無理やり皆の前に引きずり出され、まともな自己紹介もできず泣き出す、という既視感のある人見知りのフルコンボを発動してしまったのだ。
時期外れの転校生に浮足立っていたであろうクラスメートたちをがっかりさせてしまったのを肌で感じた私は、さらに落ち込むという悪循環。それでも、物珍しい転校生である私に優しく接してくれる同級生はいたが、同時に意地悪な女の子に目をつけられて、いじめられもした。
と、言っても、小学1年生の“ソレ”は、小声で悪口を言われるという程度の軽いもので済んだので、トラウマになることもなかった。
そうして新天地での、低空かつ、ほろ苦いスタートを切ることとなった。
「父の水虫」が
精神不安定の原因に
引っ越してからというもの、何か全てがうまくいかないような引っかかりを感じていた。
駅へ向かうバスひとつとっても、1本逃すと長く待たなければならない。そんな環境にも正直、戸惑っていた。その困惑は、前の学校の大好きな友だちからの手紙に返信することができないほど、大きいものだった。今から思えば、相当なストレスがかかっていたとわかる。