いつしか学校にも家にも
居場所がなくなっていった
それから、なんとか少しずつ新しい生活に慣れていった私だったが、小学4年生の終わりあたりから不登校気味になっていた。もともと、神経質で小さなことにいちいち引っかかってはウジウジと悩むような子どもでもあったので、それもまた自然な成り行きであったと思われる。
いつの頃からか、「ノートをとるのにも完璧な文字で書かなくては」などと思い、書いては消しを繰り返した挙げ句、黒板を消される。そして、「完璧」も消える。
一事が万事……そんな調子で、少しずつ澱がたまっていくように、休みも増えていった。休みがちになると、当然のようにクラスメートにそれを指摘され、ますます学校への足が遠のいて、いわゆる「居場所」というものもどんどんなくなっていき、やがて定番の本格的な「いじめ」というやつを経験することになる。
少しずつ距離を置かれるところから始まり、徐々に陰口が囁かれ、ついにはあからさまに嫌悪の表情で悪口を言われ、馬鹿にされた。そして、お定まりの「死にたい」がやってくることとなる。だが、それの原因が「いじめ」によるものなのか、その頃からもうすでに私が狂い始めていたからなのか、は定かではない。
さらに書き添えておくと、我が家では不登校児は問答無用で“悪い子”扱いだった。