この他ではAMG 4MATIC+が注目ポイント。走行状況やドライバーの操作に応じて前後トルク配分を50対50~0対100まで連続可変させる。要するにRWDを基本形とし、コーナリングでフロントにトルクが必要と思われれば自動配分してくれる。これはオーバーステアの際に役に立ちそうだ。

使い勝手に優れるラゲッジ
キャディバッグ2本も軽く収まる

 実際に動かした印象へ話を移そう。総体的にはかなり快適。乗り心地もそうだし操作性も悪くない。パドルシフトもドライブモードの切り替えもACCの作動も、ステアリング上でスッとできるのがいい。乗り心地に関してはドライブモードを“スポーツ+”にしてもグッド。当然足は引き締まるが、いきなり突き上げが激しくなったりはしない。どこまでもジェントルなのがメルセデスらしい。

 とはいえ、“スポーツ+”はエグゾーストノートが刺激的になり、アクセルの踏み方しだいではエンジンがけたたましく吠え始める。それと同時にドライバーのアドレナリンが分泌されるのでご用心。窓の外の景色がとんでもないスピードで流れる。

 ただ今回は一般道と高速道路がメインの試乗。それは瞬間的にしか味わえなかった。確か10年前のデビュー時は富士スピードウェイで試乗会が催された気がするんだけど……。やはりサーキットで乗りたいクルマである。コースに持ち込まない限り、このクルマの本性とは出会えない。一般道ではその手前の快適性と安全性の高さばかりが印象に残る。

 というのが今回のファーストコンタクト。そういえば新型には2+2シートがあるのを付け加えておこう。そちらはリアシートが倒せるのでラゲッジの使い勝手が上がる。キャディバッグ2本は軽く収まるはず。こんなクルマでゴルフ場行けたら最高だ。「攻めるところは攻め、守るところは守る」、そんな大人のラウンドが楽しめる気がする。