昔の日産セレナの広告で、「モノより思い出」(小西利行)というキャッチコピーがありましたが、「言葉を紙に紡ぐ」ことは、「思い出を、モノにする」ことでもあるのです。

 エッセイ的に「思索的に言葉を紡ぐこと」が最小単位の「試み」だとしたら、「紙に言葉を紡ぐこと」は、「想いをカタチにする」最小単位の「プロトタイプ」なのかもしれません。

 そう考えれば、紙に言葉を紡ぐことが、なんだかとても愛おしく感じられませんか。

手で書くことは
身体で思考すること

 僕自身も、これまでモレスキンの小さく丈夫なノートにアイデアを記していた頃や、無印良品のシンプルなノートを使っていた時期、また新潮文庫から出ている日付だけが書かれた白紙の『マイブック』を使っていた時期などもありました。

 また最近は、自分のパーパスや中長期的なビジョンなどを印刷し、厚めのファイルに入れて持ち歩くスタイルも気に入っています。

 今はドイツの文房具メーカー「ロイヒトトゥルム1917」のハードカバーのノートを活用してアイデアやメモをとっています。このノートに付いていた説明書がとても気に入っています。