コスパ抜群のイタリアンで、庶民の胃袋を満たしているサイゼリヤ。そんなサイゼリヤがメニュー数を絞り込んでいると報じられた。今回は、サイゼのメニューに隠された「ちょうど良さ」の秘密や、「売れない商品は即リストラ!」といった俗流経営論とは一線を画すヒット哲学について紹介しよう。(イトモス研究所所長 小倉健一)
サイゼリヤ「メニュー削減」報道に違和感
サイゼリヤがメニュー数を絞り込んでいるという報道があった。《サイゼがじわじわ「メニュー数」を減らす本質理由》(東洋経済オンライン、10月4日)という記事で、次のように書かれている。
《サイゼリヤはここ最近、「ファストカジュアル」を掲げた店舗改革を進めており、その具体的な施策として挙げられるのが「低価格路線の維持」と「メニュー数の削減」である》
《「メニュー数の削減」は店舗オペレーションの効率化につながり、その分が価格に反映されるため、結果的にこれも「低価格路線の維持」に寄与する戦略であると言えるだろう》
《ちなみに、メニュー数が減ることによってキッチンスペースの削減、ひいては店舗面積の削減にもつながるため、これまでサイゼリヤが出店できなかった小規模な場所への出店も可能になるかもしれない》
記事の主旨にはおおむね同意するが、上記の記述にはやや違和感を覚える。というのも、サイゼリヤは以前から「メニュー数の削減」と「低価格路線の維持」を行ってきたからである。