この20年で80倍に増えた
ダークな性格についての研究

 心理学の他の研究テーマについても同じなのですが、測定ツールが開発されると、その領域の研究が一気に増加していきます。DTDDとSD3の開発は、世界中でダーク・トライアドの研究を刺激していきました。

 実際に、どのように研究の数が増えていったのかを数字で見てみましょう。アメリカ心理学会(APA)が提供する心理学関連の論文データベース、PsycINFOを使います。

 論文のアブトラクト(要約)に「Dark Triad」というキーワードが書かれている文献の数を、2001年から5年ごとに確認していきます。論文のアブストラクトには、その論文の中で扱っている重要なテーマが記載されています。アブストラクトに「Dark Triad」と記載されているということは、ほぼ間違いなくその論文の中で「Dark Triad」が、重要な概念として扱われているだろうと考えることができます。

 2001年から2005年 5件
 2006年から2010年 24件
 2011年から2015年 203件
 2016年から2020年 506件
 2021年以降(2023年12月末まで) 408件

 2011年以降、発表された論文の数が一気に増えていったこと、そして現在もその勢いは衰えていないこともわかるのではないでしょうか。それだけ、現在でも世界中の多くの研究者たちがダークな性格に興味を抱いて研究を積み重ねているのです。