DTDDはダーク・トライアドの測定をきわめて簡便なものとした意義は大きいのですが、その一方であまりに簡便化しすぎているのではないかという批判も行われます。
そこで、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズムが意味する多様な内容をもう少し加味した形で、かつ比較的簡便にダーク・トライアドを測定することができないかという目的で開発されたのがShort Dark Triad(SD3)という心理尺度でした。
開発したのは、ダーク・トライアドの提唱者であるデル・ポールハスと、その指導生で現在はネバダ大学リノ校の心理学者ダニエル・ジョーンズです。SD3はマキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズムそれぞれを9項目、合計27項目でダーク・トライアド全体を測定します。
12項目のDTDDほど少ない質問項目数ではないのですが、DTDDよりもダーク・トライアドが意味する多様な内容を含んだ測定ができるのではないかと期待されていました。
なお、このSD3の日本語尺度は2017年に発表されています。ダーク・トライアドを測定する代表的な心理尺度であるDTDDとSD3が日本語化されたことで、日本でもダーク・トライアドの研究が行われるようになってきました。