これらの心理尺度を使ってダーク・トライアドを測定すれば、それだけで80項目以上、心理尺度の組み合わせによっては100項目以上の質問項目に回答を求めなければいけなかったのです。

 このような研究手続きの様子を見ると、たった12項目でダーク・トライアドの3つの心理特性を測定できるというのが、いかに画期的な研究だったのかが想像できるのではないでしょうか。

 そして実際に、DTDDが発表されて以降の2010年代は、ダーク・トライアドに関連する研究が世界中で爆発的に増加した時期でもあったのです。

研究が進み簡便になった
ダーク・トライアドの測定

 この頃、特にヨーロッパで開催された性格心理学会に参加すると、ダーク・トライアドに関連する研究発表がとても多くなったという印象がありました。

 そこで発表されていた研究にも触発されて、ヨーロッパで開かれていた学会に参加していた日本人研究者たちと一緒にDTDDの日本語版を開発し、論文が公表されたのは2015年のことでした。