「せっかく本を読んでも何も残らない。何も変わらない」。そんな時間だけを浪費してしまう「無意味な読書」をしている人も多いはずだ。そんな非生産的な読書から抜け出し、1冊1冊の読書を血肉化するにはどうすればいいか? その方法を教えてくれるのが、韓国発の読書術本『コアリーディング たった1冊読んで人生を変える読書術』だ。せっかく読んだ本が100%意味あるものになる「本の読み方」とは? 今回は、本書の一部を紹介していく。

「読書がうまい人」は、「本の余白」に何を書き込んでいるのか?Photo: Adobe Stock

本を読んで思い浮かんだことは、積極的に余白にメモ

 本にマーカーを引いたり、書き込んだりするのをためらう必要はない。本はきれいに読むものという思いこみを捨て去ろう。自分に役立つ部分にはマーカーを引き、星印もつけて、メモも書いて、積極的に活用してほしい。それが本を惜しみなく活用する方法だ。

 余白には、自分の問題解決のために役立ちそうなアイデアや考えを積極的に書き込もう。

 たとえば、本を読んでいると、「いつも勤勉な同僚の中に朝型人間がいたな。どうりでその同僚はいつも業務成果が良かったわけだ」というように、内容に関連する事柄や身近な人が思い浮かぶことがある。こうした連想で思い浮かんだことも書き込んでおこう。これらは自分の問題解決に役立つアイデアの種となる。

「自分のためのアイデア」を探しながら読めば、読書が苦にならない

 さらにいえば、こうやって自分のためのアイデアを探しながら読むことで、正解だけを探す圧迫感から抜け出せる。枠組みが決まった「正解」ではなく、「自分だけの答え」を探すことになると、脳は楽しさを感じるようになる。

「正解」は自分が決めたわけではなく、誰かがあらかじめ決めたものだ。逆に、「答え」は自分だけのものだ。

 答えを探し求めることで思考の枠組みが拡張され、創造力なども含め自己決定力が高まる。自分で道を開けば、そのときから新たな概念の道が形成される。著者が示した道に沿うのではなく、自分が見つけた自分だけの道を探そう。

(本記事は、『コアリーディング たった1冊読んで人生を変える読書術』(パク・サンベ著、村山哲也訳)の一部を抜粋・編集したものです)