全く寝られないわけではなく、ある程度は眠れるのですが、その短さ、睡眠の浅さは異常でした。イライラすることも増えました。そんな自分を受け入れることができず、更に仕事にのめり込んでいったのです。

意識高くともなるときはなる
「自分は大丈夫だ」と思うな

 その時、たまたま受診した健康診断で高血圧の診断が下ります。これはまずいと、嫌々ながらも当時の会社仲間と筋トレとランニングを始めました。

書影『社員がメンタル不調になる前に 会社の責任?それとも……?』(日本能率協会マネジメントセンター)『社員がメンタル不調になる前に 会社の責任?それとも……?』(日本能率協会マネジメントセンター)
藤田康男 著

 あの時、筋トレとランニングを始めていなかったら、私は重症になるまで仕事をやり続けていたはずです。

 たまたまではあるものの、身体を鍛える機会を得たことは、今振り返ると、私にとっての命綱でした。筋トレとランニングを始めてから、夜眠くなることが増えてきました。その後、気が付けば、清々しい気持ちで仕事に打ち込めるようになっていたのです。

 それまでの自分はメンタル不調だったのだと、そのときに気付いた、きちんと認識した、というのが正直なところです。その後も、私は筋トレとランニングを続けています。そして今では筋トレが趣味になり、趣味が講じて、ボディーメイクのコンテストに参加するほどにまでなりました。

 誰でもメンタル不調になる可能性があります。意識高くビジネスパーソンとしてバリバリやっていると自負していても、「自分は、大丈夫なのだ」と決して思わないことです。