「俺みたいにはなるな!」
私の失敗を指導に活かしてほしい

 私は今、流通経済大学ラグビー部のアドバイザーを務めるかたわら、講演活動をとおして自らの失敗について語り続けている。私の「しくじり」を、これからの時代をつくる指導者、リーダーの教訓として活かしてもらいたいと考えてのことだ。

 かつての私のように、しくじる指導者を、これ以上出してはいけない。

「俺みたいにはなるな!」

 そんな思いが、今の私を動かしている。

 ラグビー部のアドバイザーとしては、選手を直接指導するのではなく、指導者の指導を主に手がけている。

 たとえばコーチに対して、選手とのミーティングをどう進めていったらいいのかということを、アドバイスするのだ。

 具体的には、選手に対して、

「なぜ今、ラグビーをしているのか」

「何のためにラグビーをしているのか」

「将来どんなプレーヤーになりたいのか」

「そのためにどんな課題があるのか」

 といった質問をしながら、理想と現実とのギャップを本人に認識してもらう。

 そしてさらに、1つひとつの課題について、

「課題をクリアするには何をしたらいいのか」

 と質問しながら、本人が理想と現実のギャップを埋めていく、コミュニケーションの方法などを、コーチに指導している。