むしろ、レギュラーとして試合に出た選手より、出られなかった選手の数のほうが多い。そして、OBのなかにも、レギュラーの地位を得られなかった元部員たちが数多くいる。にもかかわらず、かつて表舞台に立つことができなかったOBたちも、流経大柏高校ラグビー部のことを思い、卒部式に駆けつけてくれるのだ。
だから私は、OB会の席などで、こんなことをよくいっていた。
「このなかには、花園に出た部員と出なかった部員がいる。俺にとって、本当の意味でのメダリストは、花園に出なかった部員たちだ。君たちがいなかったら今の流経はない」
試合に出られるか出られないかにかかわらず、チームのために頑張っていたOBたちがいたから、流経大柏高校のラグビー部がある。だからこそOBを大切にしたい。少なくとも、私が監督としてここにいるあいだは、それを語り継ぐ必要があると思った。
そのために、卒業生にも在校生にも、OBとの試合をとおして、その心意気を受け継いでもらいたかったのだ。
指導の「あり方」は正しいが
「やり方」が間違っていた
試合に出ることができなかった卒業生たちは、
「僕たちは『捨て石』になります。でも、ただの『捨て石』ではありません。次に活かしてもらえるような『捨て石』になります」
と、よく話してくれていた。