米軍は、第2次世界大戦中に日本への原爆投下に使用した太平洋上の飛行場を、異なる敵を念頭に復活させようとしている。その敵とは中国だ。米領北マリアナ諸島のテニアン島を覆うジャングルから伸びる滑走路は、アジアでの紛争発生に備え、米軍の即応体制を全面的にシフトする計画の一部だ。少数の大規模空軍基地に依存するのではなく、戦闘機を分散配置することで、米国は中国の巨大なミサイル備蓄に対する脆弱(ぜいじゃく)性を減らしたい考えだ。すなわち、インド太平洋地域全体で直ちに使用可能な滑走路を見つけ出し、改修を行い、復活させるということだ。米空軍はこの取り組みを「Agile Combat Employment(ACE、機敏な戦力展開)」と呼んでいる。テニアン島の滑走路再生はその重要なピースの一つとなる。
米空軍の対中国シフト、拠点「分散」の実態
中国のミサイルの脅威に対抗、第2次大戦時の飛行場を改修・復活
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