中尾:和田先生は、注射してらっしゃるのですか。

和田:はい、私も3カ月に1回の頻度で、注射しています。

99歳で大往生の瀬戸内寂聴は
死の間際まで肉を食べていた

和田:男性ホルモンに関連して言うと、日本人は非常に良くない状況にあります。たとえば、アメリカ人は1日300グラムの肉を消費していますが、日本人は1日あたり100グラム程度の消費量です。そんなに食べていないのです。

 男性ホルモンの材料はコレステロールで、多くは肉に含まれますから、それ自体、日本人はあまり摂れていません。そのせいかどうかはわかりませんが、セックスレスの夫婦・パートナーも7割に達するほどの世界有数のセックスレス大国です。

 ですから、私は、わりと日本人全般、男性ホルモンが少ないのではないかと思うのです。

中尾:なるほど。長寿の人は多いけれども、それはただ単に長生きしているというだけで、健康な人、元気な人は少ないということですね。

和田:とくに男性はそうですよね。女性は閉経後に男性ホルモンが自然と増えますから、むしろ意欲的になる。だから長寿の人でも女性のほうが元気な場合が多いと思います。