モーレツ系社員だけにしかない1つの強み
では、こういったモーレツ系の社員はなぜ、「気合だ!」「根性だ!」を口グセにしているのでしょうか。
答えは簡単で、過去に気合いと根性だけで問題解決をした成功体験があるからです。何か仕事で困難にぶち当たった時に、限界まで残業をしたり過重労働を通じてその困難を打ち返した、という経験がモーレツ社員には例外なくあります。
こんなモーレツ社員の強みは、「自分の限界を知っている」ことです。あなたも、自身の睡眠時間の限界や50mを何秒で走れるか、どれくらいの距離を泳げるかなどの限界のイメージができるかもしれません。彼らは、それを仕事において熟知しています。どのくらいの過重労働までであればミスなく自分はこなせるのか、またはこなせないのか。この辺りの限界を知っている人は目一杯限界まで仕事を受けますし、逆にキャパを超える仕事は決して受け付けないです。その結果、仕事において最も効果的なパフォーマンスを発揮できるのです。
「自分の限界を知っておく」ことの重要性
がむしゃらに出世したいのであれば、このような働き方をすることで社内外からの評価を高めることは可能でしょう。ただ僕は個人的にはもう少しコスパの良い働き方を推奨しています。それは、「自分の限界を知りながら、適度に手を抜く」です。
これはたとえば限界を100とした時に、50~80くらいまでしか仕事を基本的にはしないイメージです。おして、本当に重要な受けるべきチャンスがあった時にだけ「本気」を出すのです。こうすると、「普段はそこまで頑張って仕事しないけど、やるべきことはしっかりこなす人」というイメージが付きます。
ただし、このような働き方をするためには、まずは自分がどこまでの過重労働に耐えられるのか「体力測定」を行っておかないといけません。忙しい時にこの発想を意識しておくことが重要です。
モーレツ社員は、上司からすると非常に使いやすいですし、基本的には何でも仕事受けてくれるイメージが定着しがちです。これからの時代では、もうちょっと賢く適度に高い評価を得ながらそれでも着実に出世をしていくような生き方を実践していきたいですね。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)