現在、D2C通販事業を中心に、年商約20億円の会社の経営者となった山口武氏。山口氏は自らを「はぐれ者」「厄介者」だったと振り返る。それは、新卒で大企業に就職したものの、
ここでは、そんな彼による初めて著書『どこにも居場所のなかった僕が見つけた「じぶんごと通販」の起業戦略』から一部を抜粋し、再編集して紹介します。
小さな会社で成功する
株式会社エレファント代表取締役社長。1977年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、大手食品メーカーに就職するも5ヶ月で退職し、小説家を目指すが挫折。転職を繰り返した後、通販ベンチャーに入社し、管理職として年商120億円の達成に貢献。さらに通販会社やコンサルティング会社を経て独自の通販立ち上げ手法を確立する。2014年、株式会社エレファントを創業。D2C・単品リピート通販の「ゼロ立ち上げ」に特化したコンサルティングを行いつつ、2017年から敏感肌のこどもスキンケアブランド『nico』をはじめとする自社事業も展開している。現在はグループ4社で通販に限らない商品企画・販売事業および事業立ち上げのコンサルティングを行っている。
僕が37歳で興した株式会社エレファントは、自社開発のこどもスキンケアブランド『nico(にこ)』をはじめとする通販事業と、中小企業に対する通販事業立ち上げのコンサルティング事業とを展開する、社員数名の小さな会社です。
自社で開発し、2016年に販売を開始した敏感肌用ベビーせっけん『nicoせっけん』は、2023年12月に累計販売個数300万個を突破しました。
実は発売後の1年間は1個も売れなかった『nicoせっけん』ですが、品質と使用感を評価してくださる声がSNSで広がり、徐々にリピーターが増えていったのです。
エレファントの最大の強みは、「開発動機のある本気の商品」です。これを武器に、単品リピートという形態で、ゼロどころかマイナスからの逆転に挑戦し、結果を出すことができました。今では通販だけでなく大手ベビー用品店等、全国の店頭にも『nicoせっけん』が並んでいます。
潤沢な資金や強力な人脈などなくても、たった1人でスタートしても、本気になれば逆転できる。
僕はそれを通販ビジネスにおいて実現しました。そんな僕が今に至るまでにたどってきた道を、まずはご紹介しておきたいと思います。
マイナスからの逆転劇
「転落人生だねぇ」
僕にそう言ったのは、ある転職エージェントの社長でした。何度目かの転職活動をしていた
20代後半の頃のことです。
初対面の人物からそんなことを言われる理由は、嫌というほどわかっていました。