他人の性生活だと冷静に受け止められることが、なぜか自分に近しい人になると感情的になってしまうことがある。

 けれども、考えてみてほしい。高齢になるに従い、生活範囲は狭くなり、そして人間関係も年々少なくなっていくのだ。仕事を引退する、運転をしなくなり行動範囲が限られる、友人知人が亡くなっていく……。

 新しい出会いや環境を自ら切り開いていくのは、高齢者に限らず難しいものだ。見つけた楽しみが「風俗」であっても、それは否定しがたいのではないだろうか。

大規模調査で結論づけられた
「エロい男性は長生きする」

 2023年3月に「異性への関心が低い中高年の男性は早死にする傾向がある」という調査結果が報道されたことがある。

 山形大学医学部看護学科の櫻田香教授の研究チームが発表したもので、山形県内の7つの市で健康診断を受けた40歳以上の男女約1万9000人を対象とした、最大9年間の追跡調査から導き出されたものである。

 調査は、異性への関心の有無の他、病歴や笑いの頻度、精神的ストレスなどについて質問し、死亡リスクとの関連を調べたものだが、これらのデータを分析したところ、異性に関心がないと答えた男性は9年間で9.6%が亡くなり、関心があるとした男性の死亡率の5.6%を明確に上回ったということだ。