こうした多くのプロ選手を送り込んでいる学校がある一方、平成の強豪・智弁和歌山高(16人)や、昭和末の強豪池田高(8人)は、甲子園での活躍度に比べるとプロ入り選手が少ない。

 智弁和歌山高は基本的に有名進学校でもあるという事情もあるが、プロ入りするほどの能力の高い選手が少ないにもかかわらず甲子園で実績を残しているわけで、それはとりもなおさず監督の力量の高さを示しているともいえる。

 また、昨年のドラフトの目玉だった花巻東高の佐々木麟太郎選手はプロ志望届を提出せずに米国のスタンフォード大学に進学。一方、慶応高から米国の大学に進学した後に帰国して今年ヤクルト育成1巡目指名された根岸辰昇選手のように、海外大学へ進学後にプロ入りする選手も出てきている。

 現在までに1人でもOBをプロに送り込んだことがある高校は全国に1700校以上。今年も10校から開校以来初のプロ選手が出る見込み。すでに、野球部のある高校のうち半分近くはOBにプロ入りした選手が出ており、野球部ができてまだ年数が浅い高校でなければ、母校OBにプロ選手がいる可能性は意外と高い。

※本稿では、表記を「新字体」に統一しています(澤井→沢井など)