メイク、編集、デザインといった部門がプラヤビスタの撮影所に出入りし始めたとき、作業の指針になるのは物語のアウトラインとコンセプト画だけだった。決定稿はいまだ存在しなかった。
クリエイティヴな作業は山ほどあったが、孤立した環境はパーティー気分を盛り上げた。アート・ディレクターのデイヴ・クラッセンと美術監督のマイケル・リーヴァ〔役職としては美術監督が上〕は、ともにファヴローが2005年に撮った『ザスーラ』に参加した仲だが、その2人が後に語り草になるような“カクテルの時間”を夜な夜な催した。
「マティーニ、ビール、何でもござれ」とスティーヴン・プラットが懐かしむ。「最高でしたよ。士気が上がるから。でしょ?」
ヒマをもてあましたジェフが
現場に持ち込んだ豚のゲーム
「そう言えば、ジェフ・ブリッジスが、ポーカーズという小さなプラスチックの豚がついてるゲームを持ってきました」。『アイアンマン』のメイクアップ・アーティストであるジェミー・ケルマンがそう教えてくれた。