「あのシークエンスのほとんどは、2018年の10月、アトランタで3班体制で撮られたんです。連日狂ったようにモーション・キャプチャーの撮影をした、嵐のような1ヵ月でした。
主要撮影期間に撮影をしなかった理由の1つは、この映画も『インフィニティ・ウォー』も進化を続けていたからです。両作品は関連し合い、互いに影響を与え合うわけですが、同じ事を繰り返したくはないし、同じリズムに陥りたくもありませんでした。そしてなにしろ最後の決戦が唯一無二の見せ場になるように気を遣いました」
マイティ・ソーのハンマーの
設定は矛盾しているけどいいの?
完結2部作の物語は流動的であり続けた。マーカスとマクフィーリーは、MCUの他の映画に反応するかのように脚本を書き直し続けた。
2016年にオーストラリアで撮影された『マイティ・ソー バトルロイヤル』で、タイカ・ワイティティ監督と主演のクリス・ヘムズワースはソーという雷神のキャラクターを、自己中心的だが高潔なおバカというキャラにイメージ・チェンジした。
折角作ったソーの新しいイメージが、アベンジャーズに合流したときになかったことにされないかとヘムズワースが心配したので、マーカスとマクフィーリーはソーの出番を書き直し、つっこみ担当の真面目なソーはボケ担当になった。
ただし、ほんの数か所ではあるものの、『バトルロイヤル』の展開は『エンドゲーム』のプロット構築に矛盾を引き起こしてしまった。