「皆は後知恵だと思っていますが、あれはMCUに関する最大の誤解ですね。あれは先知恵なんです。制作工程の後の方で足されるものもたくさんありますが、ちゃんとやれば最初からあったように感じられますしね。加えて、映画同士が影響し合いますから。
私が〔『ドクター・ストレンジ』で〕エンシェント・ワンが未来の可能性を垣間見る場面を書いたときには『これは『インフィニティ・ウォー』で使えるぞ』と考えて書いたわけではありません。
でも『ドクター・ストレンジ』を観て『これを使ってプロットの問題を解決できるんじゃないか?エンシェント・ワンが発現させる力を使って、ドクター・ストレンジがタイム・ストーンから力を得ていることを見せられるんじゃないか?』と考えることはできます。
完璧な計画に従っているわけじゃありません。全体を導く何かがあるとすれば、それは今まで作られてきたすべての作品であり、ケヴィン・ファイギです。天才が集まって、完成形を知った上で物語を作っているのではなくて、作りながら物語を完成させていくんです」。
マーベル・スタジオは特殊視覚効果の制作工程を一貫性と信頼性の名のもとに常に洗練させてきた。しかしその視覚効果が具現化する肝心の物語の作り方に関しては、緩いというか、場当たり的なアプローチを取ってきたのだった。