MCUのスーパーヒーローを全員登場させると決めてからが、作業の本番だった。
「その前提から『で、第1部で誰が消えて今回再登場できるのは誰?誰が誰とどういう風に絡んでた?』といった具合に、いろいろ積み重ねていきました。ただ戦闘シーンだからといって戦っているみたいには、当然したくなかったので」
マーベル・スタジオが製作した映画には、コミックスで言うところの「見開き」つまり開いた左右両ページに描かれた1枚の画に相当する、インパクトが強いイメージが使われてきた。
そして、そのような画の中に収まるキャラクターの数は増え続けた。
『アベンジャーズ』のニューヨークの戦いで円陣を組んだ6人のアベンジャーたち。それが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではライプツィヒ・ハレ空港での12人のスーパーヒーローによる対決になり、『エンドゲーム』では瓦礫と化したアベンジャーズ本部に集結する何十というヒーローたちという、MCUの究極の見開きイメージになったのだ。
最終決戦の作業は2016年にプリビジュアライゼーションから始まり、2019年に開かれた報道関係者向け試写の数週間前まで続けられた。
「最終決戦の撮影の大半は2018年までほとんどやっていませんでした」と、『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』の編集者ジェフリー・フォードが説明する。