いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。
今回紹介するのは、劇作家や皇帝ネロの少年時代の家庭教師という顔も持つ、ローマ帝国時代の哲学者セネカの名言だ。彼は宮廷で多くの人間の弱さや悪行を目の当たりにして葛藤しながらも、怒りやお金、友情、時間の経過といった普遍的な問題について思考を深めた。そんなセネカの思考の原則がわかる言葉だ。
本当に幸福になれること
見せかけで人を魅了するものは捨て去り、踏みつけてしまえばいい。
……真によいものに目を向け、あなたの内面から生まれるものだけに喜びを見出すのだ。
「あなたの内面から」とはどういう意味か?
それは、あなたそのものから、すなわち、あなたのなかの最良の部分からという意味だ。
―─セネカ『ルキリウスに宛てた道徳書簡集』(書簡23・6)
本当の幸福は内面にある
人は栄誉──富、名声、権力、威光──や、ほしいときにほしいものを手にする心地よさを追い求めずにはいられない。
だが、ストイシズムによると、私たちはつねに、自らの内面から知恵、正義、勇気、節制を手に入れられるという。しかも、それらは決して尽きることがない。
ストイシズムでは、本当に大事なことは、ものごとを受け入れる機会や肯定する機会、自分を大事にする機会を見つけ、実践することとされている。
そこに外野の承認は必要ない。
(本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)