私は診断テストを受けたとき、その結果を、マッキンゼーで働いていた頃のある記憶と結びつけました。私たちは、南米で新規事業を立ち上げるクライアントを支援していました。CEOは当時80代で、その50年前にゼロからビジネスを始めたエネルギッシュな起業家でした。カリスマ性があり、アイデア主導型で、自分のチームの準備力と実行力に信頼を置いていたので、実務的な詳細については関心を持っていませんでした。

自分の〈一番の強み〉が
実行されていた「あのとき」

 最終プレゼンテーションの準備をしていたとき、その時点でグラフや数字を満載した50ページのボリュームになっていましたが、私は自分のチームにこう言いました。

「B氏にこの資料を見せても、ワクワクしてこの新事業に乗り出すのを承認するとは思えません。彼は財務モデルの詳細を気にかけません。彼は、ビジョンを見てワクワクしたいんです」

 私たちは代わりにスライドを10枚作成しました。人気番組『シャーク・タンク』(起業家がビジネスプランをプレゼンして、投資家の支援を募る、ビジネスリアリティ番組。アメリカ版『マネーの虎』)のプレゼンのように、エネルギッシュな語りによって、未開発の市場のチャンスや、新たなベンチャーで何ができて、誰を助けることができるかを提示しました。