誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
人間は星の数ほどいる
今日は「人間は星の数ほどいる」という話をしたいと思います。
国連の「世界人口推計2024年版」によると、世界の人口は82億人。1970年代は40億人を超えたくらいだったので、この50年間で2倍になり、さらに増え続けています。
「人間は星の数ほどいる」ともいえるわけですが、この言葉は「もっと他にいい人がいるよ」なんて、失恋した人を元気づけるために使われたりするイメージがあるかもしれません。
アナタの隣の面倒くさい人
しかし、今日は少し違うニュアンスでお話しします。嫌な人と接する場面に出くわしたとき、ぜひこの言葉を思い出してほしいのです。
もしかしたらアナタの身近に、どうしても苦手な人、きつい物言いをする人、面倒くさい人がいるかもしれません。
そういう人に悩まされるときこそ、「人間は星の数ほどいる」と考えてみてほしいです。
嫌な人にとらわれるのはもったいない
星の数ほどいるのなら、わざわざ嫌な人にとらわれる必要はありません。関わらないようにしたり、適当に流したりしてもいいのです。
他にも人はたくさんいるのに、わざわざ嫌な人に接して、心を乱されるのはもったいないと思いませんか?
美しい砂浜を眺めているときのことを思い浮かべてみてください。波打ち際の砂浜を眺めると、ふと「綺麗だな」と心がなごむでしょう。
でも、波打ち際にゴミや汚い石が混じっていたとしましょう。ふつうはそれだけを見て、イライラしたりはしませんよね。海の美しさ、砂浜の素晴らしさを感じられればいいのです。
嫌な人、面倒な人はほんのひと握り
同じように、身近に嫌な人がいても、全体として見ればいろいろな美しさや心地よさがあるものです。
「星の数ほどいる人間のうちの、ほんのひとりに過ぎない」と考えることができますよね。こんなふうに考えるだけでも、少し気が楽になると思います。
嫌な人に目を向けるのではなく、素敵な人、楽しい時間をもたらしてくれる人のほうに、できるだけ目を向けてみましょう。
素敵な人、楽しいことに目を向けよう
そもそも、嫌な人との人間関係というのは、ちょっと環境が変わるだけであっさりなくなってしまうことが多いものです。
どうか、肩の力を抜いて、周りの素敵な人や楽しいことに目を向けてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。