稼ぎが計算できるというメリットに魅力を感じ、最近では在籍を持たずに出稼ぎだけで生活する風俗嬢も増えてきている。アユミも大学の授業がオンラインになったのを機に、勤務形態を出稼ぎに切り替えた1人だ。
「仕事が休みの日は観光してっていうノマドワーカーみたいな働き方してます。ノマド風俗嬢(笑)。いろんな地方のご当地グルメを満喫しつつ、お客さんを通して県民性を見るのはちょっと楽しい。
出稼ぎの何がいいって、まず第一に散財するタイミングがないこと。ホストクラブとかにも行かないから、貯金が貯まる一方なんですよ。それと、店舗に出勤する手間がかからないというのもメリットですね。出稼ぎだと、寮かホテルで着替えて化粧をして待っていれば、仕事が入ると下に車が迎えに来てくれるので。仕事に行っていない時間を、大学のオンライン授業や課題に充ててます。さすがにぶっ通しで接客した後の授業は疲れますけどね(笑)」
コロナ禍によって、ネット環境さえあればどこでも大学生活を送れるようになったことで、女子大生風俗嬢の稼ぎ方も激変した。とはいえ、この状況がいつまでも続くわけではない。
すでにいくつかの大学は、今春(編集部注/2022年)から授業は対面を前提に行うと発表。コロナ禍をたくましく生きる女子大生風俗嬢たちからは、「いまより稼げなくなるのは、マジ無理なんだけど」といった不満の声もあがっている。
推しの店員に会いに行く
「コンセプトシーシャ」
最近、歌舞伎町で「シーシャバー」がじわじわ流行し始めている。「シーシャ」とは「水タバコ」のことで、ここ数年で一気に店舗数が増え、若い女の子からオジサンまで幅広い世代が通っている。
タバコの葉を炭で加熱し、水で濾過した煙を吸う。タバコの葉と言っても、味はレモン、メロン、スイカといったフルーツ系から、キャンディ、バブルガム、バニラ、キャラメルといったお菓子系、さらにヒノキ、ミルクティーなど実に多種多様。これらを単品で吸ったりお好みでフレーバーをミックスしたりして楽しむのだ。紙タバコの苦さが苦手な人でも受け入れやすく、リラックスできる嗜好品として人気を集めている。
だが、店舗が乱立する一方で、なかにはフレーバー以外の方法で客を集めるシーシャバーもあるようだ。
「いまでは推しの女の子に会いに行くために店に通ってますね。正直、シーシャの味はめちゃくちゃおいしい!ってわけじゃないけど……」
そう語るのはシーシャ歴1年の現役女子大生・アヤカ(仮名・21)。友人とシーシャバーに行ったのがきっかけで吸い始め、いまは「コンセプトシーシャ」に通っているという。
「コンセプトカフェ(コンカフェ)」は、患者とナースのようにさまざまなコンセプトのもと、客がキャストの接客を楽しむ店のこと。コンセプトシーシャとはコンカフェのシーシャ版だ。