巨額投資の代償?
コストが大幅に増加!
テーマパーク事業の発展には設備投資が欠かせません。顧客に新しい体験を提供し続けなければ飽きられてしまうからです。しかし、巨額の投資には当然代償があります。それが「減価償却費」という形で発生するコストです。
減価償却費とは、例えば100億円の設備を10年間使用する場合に、毎年10億円ずつ費用として計上していく会計上の費用処理です。
今回の新エリア開業に伴う投資額は約3200億円と非常に大きく、毎年発生する減価償却費も大きな負担となります。実際、前年同期と比較すると、主に新エリア開業の影響で減価償却費は73億円、増減率にして31.9%も増加しました。
加えて、新エリア開業に伴うスタッフの労働時間増加や賃金改定により、人件費も84億円の増加(前年同期比15.15%増)。また、老朽化した設備のメンテナンス費用がかさみ、諸経費は109億円(同8.5%増)増加しました。
このように、大型投資の代償としてコストは大幅に増加し、その増加分をも上回る収益向上を見込んでいたものの、猛暑の影響で入園者が減少したことで、予想通りには伸びませんでした。
夢の国として新しい体験を顧客に提供し続けながら、いかにコスト効率を高めるかが、オリエンタルランドの成長を左右する大きな課題となっています。