オリエンタルランドの25年3月期第2四半期業績は、売上高は前年同期比で4.5%増加し、2972億円に達しました。一方で、営業利益は同18%減少し、631億円にとどまりました。前述しましたが、増収減益です。
背景には、記録的な猛暑による入園者数の減少、人件費や減価償却費の増加、そしてチケット値上げによる顧客動向の変化など、複数の要因が影響しています。順に、詳しく見ていきましょう。
新エリア開業でも入園者は約30万人減
顧客離れの要因とは?
6月6日、総投資額約3200億円をかけて東京ディズニーシーに新しいエリアが誕生しました。その名も、「ファンタジースプリングス」。「アナと雪の女王」や「ラプンツェル」「ピーターパン」といった人気キャラクターをテーマにし、新ホテル「ファンタジースプリングスホテル」も併設され、ディズニーファンなら必ず訪れたい魅力的な場所に仕上がっています。
しかし、この新エリアをもってしても、猛暑という強敵には勝てなかったようです。日本全土を襲った記録的な猛暑は、特に7月から9月の入園者数に大きな影響を与えました。新エリア開業で増加したはずの来園者数を、猛暑による減少が上回り、期待していたほどの効果は得られなかったのです。
実は筆者も9月に新エリアを訪れましたが、「暑すぎる」の一言に尽きました。人気アトラクションは1~2時間待ちは当たり前で、待機場所には日陰が少なく、屋内も人混みで空調が効きにくいのか、非常に暑い状態でした。
予想を超える猛暑に空調設備の増強が追いつかなかったのかもしれません。決算説明会でも、今後の猛暑に対応するため空調の増強や日陰の設置が予定されているとの発表がありました。
レジャー業界において天候は避けられないリスクですが、世界的な気候変動の進行と共に、このリスクは加速度的に高まっています。入園者数の減少が収益に直結する中で、こうした新たなリスクに対する備えが問われていると言えるでしょう。