最も忠実な顧客を怒らせるのに良いタイミングなど決して存在しないが、家庭用オーディオ機器メーカーの米ソノスにとって、そのタイミングは最悪だった。高級ワイヤレススピーカーなどを手掛けるソノスは5月初め、自社のアプリに野心的な変更を加えると発表した。それはあまりにも野心的過ぎた。アプリの不具合によって、多くの顧客はスピーカーの接続や利用ができなくなった。問題の深刻さは4-6月期(第3四半期)決算に関する8月の電話会見で明確になった。ソノスは通期の業績見通しを下方修正するとともに、問題の解決に取り組んでいる間は新製品を発売しないことを明らかにした。それで終わりではなかった。今月13日に発表された7-9月期決算では、売上高が前年同期比16%減、製品販売台数が同17%減となった。7-9月期は同社初のヘッドホン製品の売り上げが完全に反映される最初の四半期だった。この新製品は、問題の新アプリが投入され始めたわずか数週間後という悪いタイミングで発売された。ソノスは、重要な10-12月期の売上高が4億8000万~5億6000万ドルになるとの見通しを示した。このレンジの中間値は前年同期比15%減になる。