野中広務流に考える
自民党が「一本釣り」できそうな議員リスト

 そんな彼の話を思い出しながら、国民民主党の議員を見れば、今回は「民意」という追い風を受けたものの、自民党の裏金議員の比例重複立候補禁止に救われて、当選した議員が数多くいます。次回も裏金議員、特に安倍派議員の公認に対して世間の目が厳しいはずなので、その空いたところに誘えば、大喜びして自民入りすると思われる議員が、かの党には多数いるのです。

 まったく私の独断と偏見ですが、彼らの経歴を見れば納得できるはずです。自民党のターゲットになりそうな国民民主党議員のリストを作ってみました。

(1)村岡俊英氏

 秋田3区、衆院3期。維新・民進などに所属。父は村岡兼造・元自民党官房長官。郵政選挙で敗北後、色々な野党を漂流したが、自民党候補を応援したため「連合」との関係が切れたことも。自民党への未練が大きいと見ていい。

(2)鈴木義弘氏

 埼玉14区 、4期。もともとは土屋義彦参院議員・埼玉県知事(自民党)の秘書。県議4回(全て自民党)。衆院で維新に鞍替えし、自民の三ツ林裕己氏に敗戦、比例復活。2回目も同様の構図で比例復活。しかし、2015 所沢市長選挙で自公の現職を支援。維新候補を推さず、離党。

 その後、野党を回って苦戦していたが、国民民主党に入党。前回は小選挙区で落選したが、北関東ブロックで比例1位であったため、当選。今回は石井啓一・公明党代表に勝利して初の小選挙区当選を果たす。「風」がなければ、次回は公明党の巻き返しに対してかなり不利と見る。

(3)田中健氏

 静岡4区、2期。みずほ銀行出身。太田区議を経て都議選落選、細野豪志氏の秘書へ。民主党から都議選で初当選。地元(富士市)の4区で民主党から公認。17年衆院選直前に、2区の松尾勉議員や細野豪志議員とともに離党。希望の党から立候補するも自民に破れ、比例復活もならず。国民・民主・立憲・共産の推薦で補欠選挙に無所属で出たが落選。21年、国民民主党で比例重複惜敗率1位で当選。今回は小選挙で勝利したが、選挙に弱い感が否めない。自民党二階派に入党した細野豪志氏が口説けば、入党の可能性大。