キャスティングボートを握ると盛んに言い立てられていた国民民主党の玉木雄一郎代表が、総裁選当日に不倫を報道された。期待が大きかっただけに失望を招くかと思いきや、「仕事をしてくれればプライベートは……」といった声も少なくない。その一方で、玉木代表が過去に不倫に対して厳しい姿勢を示していたブログなども発掘され、呆れる声があるのも事実だ。この不倫を有権者は許すのか否か……。過去に発覚した政治家の不倫のケースも踏まえて、考えてみたい。(フリーライター 鎌田和歌)

「理性の壁も引き上げたほうが……」
玉木劇場ーが一気に暗転

玉木代表に大ブーメラン!世間の反応に見る「許される不倫」と「許されない不倫」の決定的な違い記者会見で涙を浮かべる国民民主党の玉木代表 Photo:JIJI

 先日の衆院選で国民民主党に投票した人にとっても、そうでない人にとっても、まさかの展開だった。写真週刊誌『FLASH』が11月11日の朝、高松観光大使の女性と密会する国民民主党・玉木雄一郎代表の姿をウェブ記事に掲載。不倫現場を独占スクープしたのである。

 国民民主党が議席を伸ばし、盛んに「キャスティングボートを握っている」と囃し立てられていた10月30日深夜にも、この女性との逢瀬が撮影されていた。記事を読むと、『FLASH』の記者は少なくとも7月から2人を追っていたようだ。記事は玉木氏が選挙戦で打ち出した「年収の壁」引き上げにかけて「“理性の壁”も引き上げたほうがよさそうだ」と結ばれており、周到な取材と絶妙の掲載タイミングだった。

 ネット上で見られた反応は主に、「この時期に何やっているのか」「迂闊すぎる」という失望、「玉木には最初から期待していなかった」という国民民主党支持者以外のうれしそうな声、そして「不倫は政策と関係ない」「手取りを上げてくれるならそんなのどうでもいい」など、先日の選挙で国民民主党に投票したと思われる人々からの熱い擁護だった。

 擁護する人の一部からは「財務省が仕掛けた罠だ」など、減税で手取りを増やすと訴えてきた玉木氏を財務省が失脚させようとしているかのような陰謀論めいた主張も見られ始めた。テレ朝ニュースが、財務省のSNSに批判コメントが殺到していると伝えたほどである。

【参考】
財務省SNSへ総選挙後に批判コメント急増 中傷も 国民民主・玉木氏きっかけか
(11月14日/テレ朝ニュース)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000384456.html