デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はSGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界2社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)
SGホールディングスは増収増益
ヤマトホールディングスは赤字
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界2社。対象期間は2024年7~9月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・SGホールディングス(佐川急便)
増収率:15.0%(四半期の営業収益3735億円)
・ヤマトホールディングス
増収率:マイナス2.6%(四半期の営業収益4348億円)
物流業界の2社では、SGホールディングスが前年同期比で増収だった一方、ヤマトホールディングスは減収となった。
25年3月期中間決算の業績でも、明暗が分かれた。SGホールディングスは前年同期比で増収増益だった一方で、ヤマトホールディングスは減収、そして営業損益、純損益ともに赤字に陥った。いわゆる「2024年問題」が直撃している物流業界だが、大手2社で業績に差がついた要因とは何だったのだろうか。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、詳細を解説する。