米国のドナルド・トランプ大統領(左)と中国の習近平国家主席 Photo:China Pool/gettyimages
わずか1年で終わった「米中の蜜月」
習近平指導部と引退した長老らが国政の重要課題を話し合う「北戴河会議」が始まったようだと複数のメディアが報道している。次期指導部を決める党大会を2027年秋に控え、党幹部の人事などが話し合われると見られるが、もう1つ重要なのが米中関係と日中関係などの外交である。
現在、習指導部はアメリカには融和的、日本には対立的な態度をとっている。現在のこの方針が、北戴河会議で変更されるかどうかが注目される。
2017年4月、トランプ大統領は中国の習近平国家主席をフロリダ州の別荘マールアラーゴに招き、良好な関係を演出した。ところが翌2018年、政権は中国からの輸入品に大規模な追加関税を発動し、米中関係は急速に冷え込み貿易戦争へと急旋回した。
米中蜜月から本格対立までに要した時間は、わずか1年余りだった。現在の米中関係は、一見すると緊張緩和に向かっているように見える。だが、その裏側ではアメリカ議会を中心に対中強硬路線が超党派で浸透しつつある。
2026年5月、トランプ大統領は2017年以来となる訪中を果たし、習近平氏と会談した。アメリカ側は、中国がアメリカ産農産物の購入やレアアース問題への対応を約束したと発表した。
市場はこれを緊張緩和の兆しと受け止め、日本企業の一部にも「米中対立は峠を越した」と考える向きがあるだろう。
だが、この宥和はトランプ大統領が対中融和へ転換したことを意味しているわけではない。2018年のアメリカの反中反転が示したのは、トランプ外交における首脳関係の「非固定性」である。トランプ大統領にとって、習近平氏との個人的な親密さと、中国への関税や制裁は矛盾なく両立するのである。
そして今回は、2017年当時とは決定的に異なる条件が加わった。それはアメリカ議会が、対中本格対立へ向かう政治的な線路を敷いたことである。







