佐川は増益・ヤマトは営業赤字…物流2社の最新決算で明暗が分かれた理由とは?Photo:SANKEI

2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はSGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界2社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

SGホールディングスは増収、ヤマトは減収
物流2社で明暗分かれた要因とは?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界2社。対象期間は2024年4~6月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・SGホールディングス(佐川急便)
 増収率:5.0%(四半期の営業収益3345億円)
・ヤマトホールディングス
 増収率:マイナス3.5%(四半期の営業収益4056億円)

 物流業界の2社では、SGホールディングスが前年同期比で増収だった一方、ヤマトホールディングスは減収となった。

 24年4~6月期では、SGホールディングスが営業利益195億円(前年同期比4.1%増)と増益だった一方で、ヤマトホールディングスは142億円の営業損失を計上しており、利益面でも明暗が分かれた。この要因は何だったのか。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、業績について解説する。