「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。(構成/上栗崇)
本連載の用語解説の回は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの疑問を、「鷹の爪」のマッド・サイエンティスト、レオナルド博士がズバリ解説します。今回の用語は「超少子化進む韓国」です。
日本の少子化も深刻だが、お隣の韓国はさらに厳しい。2023年の合計特殊出生率は、日本の1.20を大幅に下回る0.72
質問者 吉田くん(新聞記者):お隣の韓国は日本よりもっと少子化が進んでいると聞きました。韓流アイドルは美男美女ばっかりでみんなのあこがれなのに、子どもが全然生まれないなんて変じゃないですか。アイドルがどんどんアメリカとか日本に渡っちゃうからなんですかね。
回答者 レオナルド博士(マッドサイエンティスト):日本の少子化も深刻だが、お隣の韓国はさらに厳しい。2023年の合計特殊出生率は、日本の1.20を大幅に下回る0.72。子育て環境の厳しさや「生きづらさ」が背景にあるとされる。
さらに若者を中心に年間20万人が海外に逃げ出し、韓国籍を放棄していることも少子化に追い打ちをかけている。韓国では生きづらい自国を指す「ヘル(地獄)朝鮮」という言葉も定着し、韓国政府は「このままでは国家消滅の運命は避けられない」と危機感を強めている。
韓国は日本以上ともいわれる学歴社会、競争社会で、ソウルの有名大を出て大企業に入ることが「成功」だという価値観が根強く残る。大学入試の朝、大勢の後輩が受験生にエールを送ったり、受験生を乗せた白バイが街を駆け抜けたりするニュース映像はおなじみだろう。
その狭き門をめざすプレッシャーは親にものしかかり、収入の多くを受験のための塾や習い事、シッターの費用につぎ込まなければならない。自身が競争社会で勝ち残れず十分な収入が得られていない人は、結婚や出産を避ける傾向が強いという。韓国政府は少子化対策に力を入れており、ニュースなどでは「子どもを産んだら愛国者」といった言葉も聞かれる。
一方、人口の海外流出も深刻だ。韓国政府の発表では、2012~22年の11年間で、26万2305人が韓国籍を喪失もしくは離脱しているという。流出先は米国、日本、カナダなどが多い。韓国国内の生きづらさに加えて、こちらは兵役義務も影響しているとみられている。
生まれ育った国を捨てて海外に移住するなんて、簡単にはできない決断だよな。それほどまでに生きづらいなんて、韓国の人たちが気の毒すぎるぞ……。
※本稿は『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
※吉田くんとアカツキ先輩が活躍中のアニメ連載「そもそも?知りたい吉田くん」は朝日新聞デジタルで読むことができます。