「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。
「得意なこと」と「すべきこと」は違う
仕事ができる人は「自分自身がいま、何に注力すべきか」に思考を張り巡らせます。
逆に言えば「自分がすべきではないこと」には時間を割かないよう、徹底して注意するのです。
一方で、仕事ができない人は「自分がやっていて心地のよいこと」に時間を割く傾向があります。
仕事における「やっていて心地のよいこと」とは、自分が得意なこと(負荷がかからずにできること)や、確実に進捗が見える仕事などが該当します。
たとえば、さまざまなTODOを抱えている場合、自分の好きな「資料のデザインづくり」からスタートしたり、「経費精算の領収書を貼る作業」などをやりがちです。
しかし仕事ができる人は、まったく逆の発想をもっています。
ここで、私がコンサル時代に衝撃をうけたエピソードを紹介したいと思います。
ある日、クライアント企業への提案書を上司と作成することになりました。
提案書を作成するには、業界やクライアント企業を取り巻く状況を把握する必要があります。
情報収集をしてクライアントの現状と課題をクイックにまとめ、2日後に会議するという指示を受け、私は急いで準備にかかりました。
あこがれていた上司との仕事でしたので、張り切った私はできる限り自分の実力を見せたいと思っていました。
情報収集をしながら、特にコンサルのベーシックスキルである資料づくり(当時はPowerPointを活用)に注力し、当日を迎えたのです。
自分として資料の出来栄えはよく、自信満々で画面に投影してプレゼンを開始しました。
ところが、私が意気揚々と話を進めていく中で、上司の顔色はどんどん険しくなっていったのです。
上司「西原くんは、この2日間で資料作成にどのくらい時間を費やしたの?」
私「だいたい10時間くらいです」
上司「なぜ資料をつくったの?」
私「資料をまとめてわかりやすく伝えようと思ったからです」
上司「じゃあ聞くけど、わかりやすく伝えるために10時間もかけたということで合っている? YESかNOかで答えて」
私「それだけではないのですが…」
上司「クライアントの提案書づくりのために、必要な情報が欲しいんだよね。貴重な2日間のうち、西原くんは“自分がどれだけきれいな資料をつくれるか”という自己満足のアピールに10時間も費やした、と私は思ったよ」
上司「なぜコンサルはPCを使った資料づくりのスキルを高めるのか。それは極限までPC作業に時間を使わないためだよ。僕らの本質は考えることなんだから」
プレゼンが終わった後、フィードバックをされて私は衝撃を受けました。
元々PCのスキルが低かった私ですが、コンサルタントとして日に日に上達し「わかりやすい資料がつくれるようになった」と自信をもっていたところでした。
しかし、上司からコンサルのあるべき姿として
「99%の時間を情報収集から得られた示唆を考えるために費やすべき」
「共有したい情報はURLだけ送ったり、プリントアウトして蛍光ペンでハイライトすれば十分」
と教えられました。
資料にまとめる作業は、自分が得意なことではあっても、自分がすべきことではなかったのです。
自分がすべきことをせず、自分が心地よいことばかりに集中し、本来求められている価値を出せなかった、私の苦い経験です。
時間は有限であり、それをどこに使うかは徹底的に考え抜かなければならない。
そして、すべきでないことは捨てる覚悟が必要。
この経験によって「仕事ができる人」の考え方を知ることができ、大きな学びになりました。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)