「会社の命令に刃向かってばかりの人は損しています」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。“きれいごと”抜きの仕事論に、「若手のときに知りたかった!」「現代のビジネスパーソンの必読書だ!」とたちまち話題に。SNSでも多数の感想が投稿されるなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「多くの人がしている仕事の勘違い」をお伝えします。
期待に応えるべき「真の顧客」とは
ベンチャーでも大手企業でも、組織は基本的にピラミッド型です。
上の人に求められたら提案や意見をしてもよいですが、「なんでも好きに言えばいいんだ」という協調性のない人は大きく評価を下げます。
「上司や経営者に媚びを売らないといけないのですか?」
こう受け取る人もいるでしょう。
かつての私もそう思っていたので気持ちはわかります。
「忖度」ではなく「期待に応える」
ですがなにも上司を持ち上げろとか、経営者に忖度しろというわけではありません。
単純に「上司や経営者の期待に応える」ことを目標にすればいいのです。
いったん、会社に言われた方法でやってみる。
顧客と会社で利害が一致しなかったときは、会社の方針を大事にする。
そんなイメージです。
評価の先に「お客様のため」がある
レベルの高い業務を任せてもらい、結果を出す機会をもらうには、すべては経営者から評価されなくては実現しません。
私がこの事実に気づいたのは、インテリジェンスに入社して5年ほど経ってからでした。
それまでは顧客がすべてだと思っていました。
上司や経営者の意向に反したとしても、お客様のためになることをする。
間違いではありませんが、これによって私のキャリアはだいぶ遠回りしました。
もっと素直に言うことを聞いていれば、規模の大きい仕事を任せてもらえて、結果として多くのお客様のためになる仕事ができたというのに。
ですので、まずは素直に指示を受け止め、とりあえずやってみることが大切です。
(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)