片づけの順番は?

1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』221pより引用(イラスト/ヤマサキミノリ)『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』221pより引用(イラスト/ヤマサキミノリ)
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片づける場所には順番があります。

僕たちプロが依頼者さんのお宅を片づける際に、まずやることは動線の確保です。
ゴミ袋や不要な家具などを運び出すための「通路」を作ることから始めます。

具体的にどこから片づけるかというと、玄関と廊下です。

玄関はゴミ袋を運び出す動線を確保するため、最初にスペースを空ける必要がある場所でもあります。ゴミ出しの日まで、玄関まわりがゴミ袋の仮置き場になることもあるので、玄関にモノがあふれているとゴミ袋を置けず、そこで作業がストップしてしまいます。

僕の会社「イーブイ」のスタッフも、新入社員はまず捨てることに慣れてもらうため、玄関から作業を始めてもらいます

玄関まわりの不要品を捨て終わる頃には、スペースがぐっと広がります。すると、他のスタッフがゴミ袋を持ち運びして行き来する動線も確保できます。

捨てる練習もできるうえに、スペースも広がると、そのあと部屋の中から大量にゴミを運び出すことになってもスムーズに作業を進められるのです。

先ほどの「片づけを始めたら、片づける前より散らかってしまった」という依頼者さんのお宅は、廊下がモノだらけでした。

そのため、リビングを片づけた際に出た大量のゴミ袋を外に運び出せず、ソファのまわりに山積み状態でした。キッチンにはペットボトルのゴミ袋がこれまた山積み。ご自身でがんばって片づけた様子がうかがえました。

まずは玄関、次に廊下と、僕たちがひとつずつ片づけていく様子を見て、
「そういうことだったんですね…」
と依頼者さんは驚き、納得していました。

玄関は、リビングやキッチンと比べてもモノの総量が少ないですし、いらないモノも比較的はっきりしています

置きっぱなしのダンボール、ボロボロにつぶれていたり壊れたり汚れている靴、骨が折れた傘、もう出ないスプレー缶など、明らかに処分したほうがいいモノがどのお宅でも置き去りになっています。

こうしたモノから捨てていくため、比較的「捨てる」が進みやすく、玄関のスペースが広がってきれいになるとモチベーションも上がります。

大掃除は玄関と廊下から。さっそく始めましょう。