「今年こそ、絶対に片づけを終わらせたい」―そんな意気込みで新年を迎えた方も多いだろう。だが、いざ始めようとしても、何から手をつければいいのかわからないまま日々が過ぎてしまうことも少なくない。
実は、片づけで最も重要なのは最初の勢いと小さな行動だという。気持ちのいい一年のスタートを切るために、具体的に何をすればいいだろうか。
登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片付けチャンネル」の運営者であり、書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』の著者・二見文直氏に、新年の抱負を現実に変えるために、簡単かつ効果的な「片づけチャレンジ」の方法を紹介する。
やれば驚くべき変化が訪れるかも。その一歩をどう踏み出すか、ぜひ読んでやってみてほしい。(構成/ダイヤモンド社・和田史子)
最初の気持ちとスピードが大事
「今年こそ、絶対に部屋を片づけるぞ!」
「2025年は『捨てる!』がテーマです」
「今年は、家じゅうのいらないモノを処分しまくります!」
今年の抱負に「片づけ」をあげる方は多いようです。
みなさんの決意を、僕は心から応援します。
何かをやるときって、最初の気持ちとスピードが本当に大事ですよね。
「もう先送りをやめて、捨てましょう」
こんなお話をYouTube配信したところ、大きな反響をいただきました。
何かを変えようとするときは、一気に勢いでやってしまう必要があります。ちょっとだけパワーがいりますが、やる気があれば乗り切れます。
何かを「やろう!」と思った瞬間が一番やる気がある状態。これはチャンスです。
やる気があるうちに、無理やりでも「捨てる」。とにかく手を動かして、「捨てる」に慣れる。一緒に、ここから始めてみませんか?
3分間、片づけチャレンジのすすめ
ゆっくりテレビを見て過ごしている方におすすめしたいのが、1カ所だけ集中して「捨てる」をやってみることです。名づけて「3分間・片づけチャレンジ」。
例えば、こたつの上のモノを捨てるとします。大きめのゴミ袋を1つ用意しましょう。
CMが始まったら、スマホでこたつの上の写真を一枚撮ります。写真を見ながら、なんとなく「捨てるモノ」を決めてみましょう。
そして次のCMのときに、こたつの上にあるいらないモノを一気に捨てていきます。時間を決めてやると集中できるので、CMの時間を利用しましょう。年始の特番のCMは比較的長く、片づけるにはちょうどいい時間です。
ルールはひとつ。何があってもこの1カ所、こたつの上のモノを捨て終わるまでは一歩も動かないと決めて、捨てるモノをひたすらゴミ袋に入れていきます。
捨てる基準は使っていないモノ。とてもシンプルですね。
ボールペン、セールの案内チラシ、いただきもののが入っていた箱や包装紙、100円ショップで買ったものの使いにくくてそのままにしてあるカード型の電卓、ホコリのかぶったキャラクターグッズ、ペン入れ代わりに使っていたカンカン。
とにかく「使ってないな」「なくてもいいな」と思ったら、とりあえずゴミ袋に入れてしまうのです。
1年後には驚きの変化が
ゴミの分別を考えると手が止まってしまうので、いったん同じゴミ袋にポンポン入れていきます。ゴミの分別に慣れている人であれば、「燃やせるごみ」「それ以外」の2つのゴミ袋を用意してもいいですが、目の前の捨てることに集中したいので、「捨てる」以外に脳みそを使わないようにします。ゴミの分別は後でやりましょう。
「ここまで徹底的にやるの?」と驚く人もいますが、捨てると決めて強い気持ちで「捨てる」を実行するためには、ここまで徹底してやる必要があります。
捨てることに集中することで、自然と捨てることに慣れてきます。
いらないモノがなくなって広々したこたつの写真も撮ります。ビフォー・アフターの写真を撮ることで、「目に見える成果」を残しておきます。この写真を見れば、片づけのモチベーションも保てるはず。
こんなふうに、新年の決意を「ちょっとした行動」に移してみてください。1年後には驚きの変化が待っているはず。
僕の依頼者さんでも、毎日ゴミ袋1個ずつ捨て続けて、1年後に片づけが終わってお部屋がきれいになり、その後はリバウンドも一切なし!という方がいます。今日がスタートです。ぜひ楽しみながらやってみましょう。
株式会社ウインドクリエイティブ代表取締役。YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。月平均130軒以上のお宅を訪問し、これまで1万件以上の片づけを経験。年間約5000件以上の相談を受け、のべ4万件を超える全国からの「片づけられない」悩みと向き合ってきた。2016年にスタートしたYouTube「イーブイ片付けチャンネル」は、登録者数16万人、総再生数7500万回を突破(2024年12月現在)。『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』(ダイヤモンド社)は初の著書。