東京ディズニーシーがトップ5から陥落――。世界のテーマパークの入場者数ランキングで、大きな異変が起きています。それでは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは何位だったのでしょうか?活況を呈するテーマパーク界隈の2024年の動向および25年以降の予測も合わせて解説します。(明治大学経営学部兼任講師 中島 恵)

テーマパーク世界トップ5に異変!

 アメリカの調査会社AECOMが、世界のテーマパークやウォーターパーク、ミュージアム(美術館・博物館)の入場者数と主な動向を調査し、毎年6月に発表しています。筆者はこのAECOMのデータを2011年から毎年見てきました。

 テーマパーク業界は、用地の取得、土地の造成、設計、建設、内装、従業員の育成、広告、広報など、開業まで長い時間を要する業界なので、1~2年では大きな変革を起こせません。よって、1年単位ではほとんど変わらないので、24年6月に発表された23年の「入場者数ランキング」と、最新ニュースも踏まえて、24年の動向および25年以降の予測を解説します。

 2010年代前半から、世界ランキング1~5位の変化はほとんどありませんでした。1位と2位が米国のディズニーパーク、3位が東京ディズニーランド(TDL)、4位が東京ディズニーシー(TDS)、5位が大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)でした。

 ところが、23年にこの順位が大きく変わりました。1位と2位は同じですが、3位がUSJ、4位がTDL、5位が上海ディズニーランドという結果になりました。

香港ディズニー入場者数「偽装」報道

 ただし、中国勢は本当の入場者数を公表しているのか分かりません。06年に香港ディズニーが経営不振に陥った際、「香港ディズニーは入場者数を実際より多く発表している」と現地メディアが報じました 。さらに19年には、亜州IR中国株ニュースが「中国のテーマパークが収支を偽装している可能性がある」と指摘しました 。

2006/09/08日経産業新聞 4頁「香港ディズニー、「1年で560万人」の目標困難…、集客数にかさあげ疑惑。」
2019/07/31亜州IR中国株ニュース「【統計】中国にテーマパーク投資ブーム再来、19年は7兆円規模 中国」
※数値偽装は中国に限らずどの国のパークでも起こり得るが念のため記述

 USJと上海ディズニーランドに抜かされた、TDSは何位なのか。さらに詳しく知りたい方は、中島 恵氏による別の解説記事『ディズニーシーとUSJが逆転の衝撃!テーマパーク世界ランキング【トップ20完全版】』をご参照ください。

【訂正】記事の初出時より以下の通り訂正しました。
世界のテーマパーク年間入場者数ランキングで、上海ディズニーランドの2023年と2022年の入園者数を逆に記載していたため、表を差し替えました。なお、順位に変更はありません。
(2024年12月4日 10:35 ダイヤモンド編集部)
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