90:10でもいいので、
「小さな気持ちの恩返し」をしよう

著者:松澤萬紀(まつざわまき)  幼少期よりCA(客室乗務員)に憧れ、8回目の試験で念願のCAに合格。ANA(全日空)のCAとして12年間勤務する。トータルフライトタイムは 8585.8時間(地球370周分)。ANA退社後は、マナー講師、CS(顧客満足度)向上コンサルタントとして活動。年間登壇回数は 200回以上。総受講者数は、2万人以上。リピート率は97%に達している。また、読売テレビ「ミヤネ屋」への出演、毎日新聞にも掲載されるなど、メディアでも活躍中。
【オフィシャルHP】
http://www.matsuzawa-maki.com/

 4年ほど連絡をとっていなかったCA時代のA先輩と、ランチをご一緒することになりました。
 お店は先輩が探してくれることになり、人気のお寿司屋さんに予約を入れてくれたのです。

 私は、もっとカジュアルに食事をすると思っていたのですが、A先輩は「萬紀と食事をするのは久しぶりだから、おいしいものを食べよう」と言って、ごちそうしてくださったのです。

 忙しいA先輩が、私のために時間をあけてくれただけでも嬉しい。
 そのうえ素敵なお店を予約してくれたことがありがたくて、そんな粋なことをさらりとできるA先輩に、いままで以上に憧れるようになりました。

 食事に招待する場合は、「選んだお店=もてなす人の気持ち」をあらわしています。
 ですから、私が相手を招待するお店を選ぶときは、「ワンランク上のお店(相手の期待を超えるお店)」を選ぶように心がけるようになりました。

 社会人になると、食事をごちそうする機会も、ごちそうされる機会もあります。
 このとき「おごってばかり」とか、「おごられてばかり」という一方通行の関係は、長続きしません。
 どちらかに偏ってしまうと、人間関係はしだいにうまくいかなくなってしまいます。

 もちろん、上司と部下、先輩と後輩、男性と女性、仕事の発注者と受注者など、お互いの立場は違うため、「50:50」のバランスを保つのはむずかしいと思います。

 でも、90:10でもいいので、「小さな気持ちの恩返し」をすることなら、だれにでもできるのではないでしょうか。

それプラス、心からの「ありがとうの言葉」があれば、良い関係が続くはずです

(※次回の「第10回の記事」は、5月13日(月)の掲載となります)


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