心が離れるのに気づかないから
習慣化が「もう手遅れ」状態になる
博士:「さて、心が離れて『もういいや』となったとき、習慣化は終わってしまうのでした。だから僕たちは、そんなふうに手遅れになる前に手を打ちたいわけです」
高橋くん:「ふむふむ」
博士:「しかし困ったことに、『心が離れる』様子は目に見えないので、注意しないとなかなか気づかない」
高橋くんは熱心に聞いています。
高橋くん:「なるほど。だから『気づいたときにはもう手遅れ』ってなっちゃうんですね」
博士:「そうそう。そこで、手遅れに近づいているときにちゃんと『これはマズイぞ』と気づける仕組みをつくります」
博士はコーヒーゼリーを食べ、キリッとした顔をしました。
博士:「それが、日数リセットルールだよ」
日数リセットルール
「2日連続でサボったら、1からやり直し」
高橋くん:「リセット、ですか?」
高橋くんは、まだピンと来ていません。
博士は順を追って説明しました。
博士:「まず筋トレとかを始めるとき、『30日続いたら成功』みたいなゴールを決めます」
高橋くん:「それはいいですね。終わりがあったほうが、がんばれそうですし」
高橋くんはそのアイデアを歓迎しました。
博士:「それで毎日筋トレをしたら、1日目、2日目と数えていく。それが30日になったら成功」
高橋くん:「なんか楽しそうですね」
博士:「そうでしょ。しかし、ここでリセットルール。2日連続でサボったら、1からやり直し。たとえば28日目時点でも2日連続でサボったら、また1日目から」
高橋くん:「えー」
高橋くんは、急激に抵抗を示します。
高橋くん:「ゲームのデータを途中で消されるのと同じですよね。それは嫌だなあ」
しかし博士は「その気持ちが大事だよ」と言いました。
博士:「『リセットは嫌だからやろう』って気持ちがなかったら、サボっても『まあいいか』と思っちゃうでしょ。そして『まあいいか』はあっという間に『もういいや』になって、習慣化は終わってしまう」
高橋くん:「なるほど。日数の更新が止まったら、習慣から心が離れてるってことですね。少し厳しいけど、たしかに効果はありそうだなあ」