リセットルールあり リセットルールなし同書より転載

 適度な緊張感は、よい結果をもたらす。

 高橋くんはそのことを、少なくとも頭では知っていました。

サボるのは「1日まではOK」ルールが
現実的に最も成功率を高める

高橋くん:「でも1日サボるのは許してくれるんですね」

 博士は「そうなんだよね」と答えました。

博士:「連続30日が理想ではあるけれど、『途中休んでも続く人』もゼロではないから」

高橋くん:「僕も1日くらい見逃してもらえたほうが、気が楽です」

博士:「そうだよね。ここはかなり試行錯誤を重ねたんだけど、どうもルールは厳しすぎても緩すぎてもダメらしい。『厳しすぎると逆効果』とか『緩すぎると意味がない』とかのバランスをとって、現実的に成功率をもっとも高めるのが、『1日まではOK』というルールだったんだ」

 博士はコーヒーゼリーの器に残ったクリームを最後の一滴まで残すまいと、スプーンでかき集めながら言いました。

 その姿には全く威厳がありませんでしたが、発言にはしっかりとした根拠と説得力がありました。

デジタルもアナログも関係ナシ
習慣化は何より達成感が大切

博士:「ちなみにリセットルールは習慣化アプリを使ってもいいけど、もっとアナログにやる方法もあるよ」

 博士はようやく、コーヒーゼリーの器から顔を上げました。

博士:「カレンダーに数字を書くとかね。毎日筋トレとかをしたら日付のところに、1、2、3って数字を書いていって、2日連続で空いたら最初からにする」

高橋くん:「それは達成感があってよさそうな気がしますね。やってみます」

博士:「うん。やっぱり達成感って大切だからね」

 そう言った博士の顔にも、なぜか達成感が満ちています。

 よく見るとコーヒーゼリーの器は、一滴残らず綺麗にクリームがすくい尽くされていました。

POINT(1)一度「まあいいか」と休むと、すぐに「もういいや」と挫折しやすくなる
POINT(2)リセットルールは、「まあいいか」と思うのを防ぐ
POINT(3)リセットが近づいているとき=習慣から心が離れているとき
書影『200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術』『200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
戸田大介 著