創価学会では、「世界青年平和文化祭」という大規模な祭典を営んできた。若い学会員たちが行うマスゲームや人文字は、観客の目を驚かせる壮大なものである。その規模の大きさや整然とした雰囲気は、北朝鮮のマスゲームや人文字を思わせる。
少なくとも、これだけの規模のマスゲームや人文字を作れるのは、北朝鮮の国民と創価学会員だけである。組織に対して忠実で従順な民衆と独裁的な権力者という構図も、北朝鮮を彷彿とさせる。
創価学会が、たんに構成員の数の多い巨大組織であるだけなら、その動向に注目する必要はない。
しかし、創価学会は、現在でも信仰を共有する人々によって営まれる生きた組織であり、多くの会員たちはアクティブに活動を展開している。公明党が政局のキャスティングボートを握ったのも、そうした活動の賜物なのである。
公明党もまた、創価学会を相互扶助組織として機能させる上で重要な役割を果たしている。
公明党は、その結党以来、「大衆福祉の実現」を政治活動の中心にすえてきた。公明党結党当時の綱領の二番目に、「人間性社会主義による大衆福祉の実現」がうたわれていた。現在の綱領でも、「生活者重視の文化・福祉国家」の実現がうたわれている。
公明党が、自民党などとの連立政権のなかで、つねに厚生労働大臣(かつては厚生大臣)のポストを確保してきたのも、福祉の実現が、公明党の存立ともかかわりをもっているからにほかならない。
「F取り」に「Kづくり」
学会員が選挙活動に熱心な理由
福祉の水準が向上することを望むのは、福祉の対象となる人々である。社会の上層階級は福祉の対象となることはなく、その点で、福祉には関心をもたない。関心をもつのは、福祉の対象となる下層階級であり、それはまさに創価学会員が属している階層なのである。
そうした実利を得られるからこそ、創価学会員は選挙活動に熱心なのである。
彼らの推す議員が当選することは、福祉が向上し、ひいてはその恩恵に与れることを意味する。選挙活動を通して、文字通り現世利益が実現されるのである。
創価学会の選挙活動の核になっているのが、「F取り」と「Kづくり」である。