旧統一教会を巡り、焦点となったのが政治との関わりや、宗教を信仰する家庭に生まれた2世の問題だ。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)の#18は、政治に熱心な創価学会で理事長などを歴任した正木正明氏を父に持つ伸城氏に「宗教と政治」のリアルについて聞いた。(ダイヤモンド編集部特別取材班)
投票所で「手が震えた」
宗教2世が感じた抵抗感とは?
――正木さんの著書『宗教2世サバイバルガイド』の中で、2017年に創価学会本部を退職した後、同年の衆議院議員選挙で公明党以外の候補に投票しようとしたら、手が震えて名前を書けなかったというエピソードが紹介されていました。これはどんな感覚なのでしょうか。
それまでずっと公明党候補の名前ばかり書いてきたため、ある種の習慣に逆らう形になってしまった。それで手が震えたのだと思います。
例えば学会員は勤行(朝晩に「南無妙法蓮華経」の題目や法華経という経典の一部を唱える儀式)を欠かすと、あたかも歯を磨くのを忘れたときのような嫌な感じを抱きます。それと似た感覚で、公明党を応援しないことに抵抗感が湧いたのでしょう。
――学会員にとって選挙とは何ですか。