同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「シンプルルールの法則」である。
【貧す人】誰もが納得する、正しいルールをつくり込もう
【稼ぐ人】誰もができる、カンタンなルールから始めよう
どんなに良い商品を開発し、マーケティングに長けていても、すぐれた組織がなければ、会社は成り立たない。
それをつくる一番の早道は、「クレド(行動規範)」をつくることだ。
クレドとは、自社の理念を社内に徹底し、誰もが同じ行動を促すためのルール集。
リッツ・カールトンのクレド
有名なのが、高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」によるもの。
同ホテルの社員は、20項目に及ぶルールを一枚のカードにまとめ、携行することが義務づけられているという。
その内容は非常に具体的であり、読んだだけでも、すべてのビジネスパーソンの学びになる。
例えば、電話応対については──
「電話応対エチケットを守りましょう。
呼出音3回以内に、『笑顔で』電話を取ります。
お客様のお名前をできるだけお呼びしましょう。
保留にする場合は、『少しお待ちいただいてよろしいでしょうか?』とおたずねしてからにします」
といった具合だ。
20項目には、苦情処理、館内案内をはじめ業務に関する具体的な応対法や、ホテルの中だけでなく外にいるときの心構えについても記されており、一人のビジネスパーソンとしての成長を促す、すばらしい内容となっている。
このようなルールは、たった数項目のカンタンなものでも、大きな効果を発揮する。
シンプルルールが売上に及ぼす影響
グローバル規模で社長が集う組織「YPO(ヤング・プレジデンツ・オーガニゼーション)」では、3~5項目に絞ったシンプルルールを徹底するだけで、収益が20~50%も改善する企業が続出した。
一例を挙げると、あるレストランでは、メニュー選択について検討した結果、「翌週のメニューは、水曜昼までに決定すること」「5品のうち3品は過去に売れたメニューにすること」「90%の野菜と果物は地元産であること」というシンプルルールを導入した。
結果、数か月後には売上が30%、収益は倍増した(【出典】『SIMPLE RULES──HOW TO THRIVE IN A COMPLEX WORLD』 Donald Sull + Kathleen M.Eisenhardt著、Harper Business)。
【貧す人】は、規範がないので、いつまでも個人の力にとどまる。
【稼ぐ人】は、規範をつくるので、すぐにチーム力を発揮する。
あなたの仕事で大切にすべきシンプルルールとは、いったい何か?
ルールがなければ、誰もが参加できるゲームにならないのだ。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)