世界で最も時価総額の高い企業の一つを築いた男は毎朝、電子メールの受信トレイをスクロールし、その日で最も重要な100通に目を通す。そして日曜の夜には、お気に入りのスコッチウイスキーを1杯注ぎ、さらに多くのメールを読む。米半導体大手エヌビディアの従業員は「T5T」(Top-5 Things=最も重要な五つのこと)として知られるメモを書いてきた。自身が取り組んでいること、考えていること、事業の各分野で気づいたことをつづったものだ。そして何十年もの間、ジェンスン・フアン氏はそれを全て読んできた。「送ってくれれば必ず読む」と彼は言う。エヌビディアの創業者で最高経営責任者(CEO)であるフアン氏は、会社の状況を把握し、他の方法では決して得られないような洞察を確実に得るためにT5Tを確認する。